英語のすゝめ。~飽きずに、深く、楽しく。

英語を読むだけで気持ちが満たされるamuです。 英文読解の楽しさは『発見』にあります。「こう表現したい時は英語でこう表現したらいいのか!」「この英単語にこんな使い方があったのか!」「そもそもこんな英語表現があるのか!」本ブログはそんな『発見』を紹介していきます。 私の記事で楽しい英文読解ができれば幸いです。

Scrappy 『闘志のある』/Be one's own boss『自営業を営む』/different thanという表現

0.今回の英語資料:Ted Talkより『ニキラ・マシューズ・オコメ:好きを仕事にするサイド・ハッスル革命』

お久しぶりです。今回はTed Talkから'使えそうな'英語表現を紹介します。

www.ted.com

 

1.『気風』のethos

スピーチの冒頭、ニキラ氏はアメリカの労働人口の約15%が定職に就いていない現状を語った後、こう述べています。

The term "side hustle" just seems to fit with this ethos where people are putting together a few different things to make a living. 

 【「サイド・ハッスル」も この風潮の中にあるもので 別々のことをいくつかやって 生計を立てていることを指します】

 

この文で『風潮』を指す表現はethos(エートス)。

エートスは元々ギリシャで生まれた言葉であり、意味は「特定の集団において、行為と習慣を形づくる人々の気風」。

この文におけるthis ethosは前文の「定職に就かない人々」の気風を指しています。そして、そんな気風の人々に合う(fit with)ものとして、Side Hustle(サイドハッスル)が紹介されているのです。

 

なお、後の文のput togetherとmake a livingはそれぞれ『一つにまとめる』と『生計を立てる』という意味。where以下の文は直訳すると「生計を得るためにそれぞれ別のことを複数まとめてこなしている」となります。

2.different “than” という表現

サイドハッスルは副業という認識を受けることがあるが、ニキラ氏はその認識の仕方を否定しています。

A side hustle is a little different than a second job.

 【サイド・ハッスルは、副業とは少し違います】

 

Second jobは文字通り「第二の仕事」ということで、『副業』を指します。しかし、ニキラ氏曰く「サイドハッスルが従来の意味での副業(second job)と異なるもの」。

『~と異なる』の英語表現はdifferent from・・・なのですが、ここではdifferent than。本来の文法通りではない表現ですが、誤用ではありません。different thanは主にアメリカで使われている表現であり、十分意味の通じる表現なのです。

3.『闘志』を表すScrappy

ニキラ氏は以下の文でサイドハッスルと副業の違いを示しています。

Side hustle captures a certain kind of scrappy, entrepreneurial spirit.

 【サイド・ハッスルは ガッツのある起業家精神を捉えます】

 

注目すべき表現はscrappy。

scrapから関連して『まとまりのない』『断片的な』の意味を持つ反面、scrappyはdetermined(覚悟を決めた)、argumentative(討論を好む)、pugnacious(好戦的な)の代わりのなる表現でもあります。

つまり、scrappyは『闘志のある』という意味も持つのです。

4.Audienceで『客層』& There's also beauty in~で『~もまた素晴らしい』

サイドハッスルから自営業を始めることについて、ニキラ氏はこう述べています。

Scale is great, but there's also beauty in a successful business that's built for a specific audience.

 【規模が大きいのもいいですが、特定の客層相手に成功しているビジネスというのもまた素晴らしいものです】

 

この文の面白い点は『客層』の意味でaudienceが使われていること。There's also beauty in~(~もまた素晴らしい)も併せて、どちらも覚えて損はない表現でしょう

5.Be one's own boss『自ら事業を営む』

「自営業を営む」を英語でどう表すのか。その答えは以下の文です。

People are increasingly interested in being their own boss.

 【自ら事業を営むことに 関心を持つ人が増えていること】

 

Be one's own bossで『自営業を営む』『フリーになる』

自営業を始めると、 自分一人で事業を取り仕切るようになります。故に、自力で自らの勤務態度を律し、自分一人で仕事の全責任を取らなければなりません。

そういう意味で、be one's own boss(自分自身の上司になる)は的を得た表現だと言えるでしょう。

6.(dip and) dabble in 『手をつけてみる』& be committed to 『打ち込む』

スピーチ後半、ニキラ氏は本業の傍ら、サイドハッスルを行う人々の特徴について話しています。

When you're multipassionate, you want to dip and dabble in those different things. It doesn't mean that you're not committed to your job, it just means that you have other outlets that bring you joy.

 【いろんなことに興味があれば、そういったことにちょっと手を出してみたくなるものです。それは仕事に打ち込んでいないということではなく、喜びをもたらす表出の場を他にも持っているということなんです】

 

dip(~に浸す)とdabble(水を跳ねかける)。似たような意味の単語が連続しているが、dabbleには『(主に「二番目に興味が強い物事」)に手を出す』という意味もあります。今回はdipが付いていますが、dabble inだけでも『手をつける』と訳すことができます。

また、逆に「一番興味のあることに打ち込んでいる」状態を表したい時は、be committed toで表現可。commitは能動態ではなく受動態の形を取るため注意しましょう。

7.feel fulfiled『心が満たされる』

最後にスピーチ終盤の一部分を抜粋します。

Everyone is looking to feel fulfilled. Thirty-eight percent of baby boomers feel some kind of regret about their career. No one wants that.

 【みんな充実した人生を 送りたいと思っています。ベビーブーム世代の人の38%は自分の仕事人生について何か後悔しています。誰もそんなこと望みません 】

 

feel fulfilledは『充実感を味わう』。文字通り「満たされると感じる」という意味です。

fulfillにはこんな活用方法もあるのです。

まとめ

 

★ethos『気風』

☆put together『一つにまとめる』
☆make a living『生計を立てる』
★different than『~と異なる』(※different fromと同じ意味)
★Scrappy 『闘志のある』
★Audience『客層』
★There's also beauty in~『~もまた素晴らしい』
★Be one's own boss『自ら事業を営む』
★(dip and) dabble in 『手をつけてみる』
★be committed to 『打ち込む』
★feel fulfiled『心が満たされる』